1からわかるロコモ膝痛・腰痛編

1からわかるロコモ

その1 “痛み”はどうして起こるの?

体の危険を知らせるためです

痛みは、病気やけがなどで損傷した組織を修復する間、体を動かさないように警告する役割を担っています。体内には神経が張り巡らされており、末梢(まっしょう)神経にあるセンサー(侵害受容器(しんがいじゅようき))が刺激を感知すると、電気信号が脊髄(せきずい)を通って脳に伝わり「痛い」と感じます。これを「侵害受容性疼痛(とうつう)」といいます。この他にも、「心因性疼痛」「神経障害性疼痛」があります。これらの痛みは通常、原因が取り除かれると約90%が数日~6週間以内に治まりますが、中には3~6カ月以上続き慢性化する場合もあります。


痛みの種類

痛みの伝達経路のどこが刺激・障害されるかで、痛みの種類が異なります。

心因性疼痛:職場・家庭などでのストレスにより、脳にトラブルが生じて感じる痛み。特に首・肩・腰に強い痛みが起こる。長引く痛みもまた、この要因となる。神経障害性疼痛:神経が障害されたり、神経の周囲に炎症が起こったりして感じる痛み。坐骨神経痛など。侵害受容性疼痛:体のいろいろな部位に生じた刺激や炎症を、末梢神経が感知して感じる痛み。骨折などの外傷、変形性膝関節症、関節リウマチ、ぎっくり腰など。


痛み慢性化の要因

“痛むから”と過度に安静にして運動不足が続くと、筋力が低下します。すると体をうまく支えられなくなり、膝・腰への負担が増して痛みは慢性化することが分かっています。また痛みが治らないことへの不安や心配、職場・家庭でのストレスは、痛みを慢性化させる傾向にあります。

心配、不安、過度の安静、運動不足、痛みの放置、職場や家庭でのストレス


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