大正製薬

消費者庁による措置命令に関する見解

2019年7月12日

7月4日付にて消費者庁から当社に対して出されました、当社製品パブロンマスク365(以下、当社マスク)に関する措置命令につきまして、その内容は合理的なものではないと当社が考えております根拠について、その要点を以下のとおりご説明いたします。

  1. 措置命令は、当社マスクにおける表示について「当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められないものであった」としています(令和元年7月4日付の消費者庁News Release「光触媒を使用したマスクの販売事業者4社に対する景品表示法に基づく措置命令について」3ページ イ 実際)。
  2. 当社は表示された効果を有することを証する合理的な根拠となる資料を提出しています。
    措置命令に先立って行われた当社と消費者庁との面談の過程で、当社は、景品表示法第7条第2項に基づく消費者庁からの資料提出の要求に応じて、以下を始めとする複数の第三者機関が実施した試験の結果を消費者庁に提出しており、これらの試験の結果は、当社が主張する「当社マスクが光触媒によりウイルス、細菌、花粉アレルゲンを分解する効果を有する」ことの表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとなると考えております。
    1. (1)抗ウイルス試験:マスク片にA型インフルエンザウイルス(H1N1)懸濁液を添加し、一定時間光を照射したところ、ウイルスが分解され、その99%以上が不活性化した。
    2. (2)アレルゲンに対する試料の反応試験:マスク片にスギ花粉粗抽出液を添加し、一定時間光を照射したところ、スギ花粉アレルゲン(Cry j 1)が分解され、その濃度は98.8%以上低減した。
    3. (3)抗菌性試験:JIS R 1702(ファインセラミックス-光触媒抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果)が定める試験方法に基づき、マスク片に黄色ぶどう球菌懸濁液を添加し、一定時間光を照射したところ、黄色ぶどう球菌が分解され、JIS R 1702が定める抗菌効果が確認された。
  3. 当社が提出した資料のみでは表示の裏付けとなる合理的な根拠がないと消費者庁は判断しておりますが、その判断材料とされた「消費者庁が独自に実施した試験」は科学的に不適切であると考えます。
    1. (1)消費者庁は、当社が示した合理的な根拠を否定する根拠の一つとして、「消費者庁が独自に実施した試験(以下、消費者庁試験)の結果、表示されている効果が確認できなかった」ことを挙げていました。
    2. (2)消費者庁試験は、「500mlの容器内に、当社マスクを8㎝四方にカットし、その上に128㎎の花粉を載せたものを封入し、白色蛍光灯を48時間照射し、容器中の二酸化炭素濃度を測定する」というものです。そして「試験の結果、容器中の二酸化炭素が増加しなかったことから、当社マスクの光触媒によって花粉などの有害物質が分解されなかったと理解した」との説明が消費者庁からなされました。
    3. (3)しかし、当社は「花粉等を水と二酸化炭素に分解する」旨の表示をしていないにもかかわらず、消費者庁試験は二酸化炭素に分解されるか否かのみに着目して当社マスクの効果を判断している点が不合理といえます。また、消費者庁試験は以下のとおり試験自体が科学的にも不適切と考えます。
    4. (4)当社マスクの花粉に対する効果を二酸化炭素濃度の増加の有無により判断しようとする消費者庁試験はその手法が妥当ではないと判断しております。その理由は以下のとおりです。
      1. 花粉の分解による二酸化炭素の増加を検出することは困難であること:
        8㎝四方のマスクに載せただけの花粉から発生しうる二酸化炭素量は、極小で検出が困難であることが想定されるため、不適切な試験デザインであるといえます。たとえ花粉量を増やしたとしても(消費者庁試験のように、JISが同種の試験について定める基準量の100倍を使用したとしても)マスクに接する花粉量に限界があることから、測定が困難であることに変わりありません。
      2. マスク使用時の条件を考慮した試験でないこと:
        密閉容器中での二酸化炭素濃度の増加を測定する消費者庁試験においては、容器内の二酸化炭素濃度の微細な変化をとらえる上で人の呼気・吸気による花粉の移動及び、呼気に含まれる水分による当社マスクへの花粉の接触頻度の増加を考慮する必要がありますが、当該各要素が全く考慮されておりません(なお、JISの同種の試験では、接触頻度が適切となるよう基準が定められています)。
      3. 二酸化炭素を測定する上で考慮すべき事由が考慮されていないこと:
        光触媒により発生した二酸化炭素は、花粉に含まれる水分や塩類などによりその一部は炭酸塩になります。よって、気体中の二酸化炭素を測定するだけでは、花粉の分解の有無を判断することはできないと考えます。
    5. (5)当社としては、上記のような問題のある消費者庁試験は、試験の信頼性を確保できない不適切な試験であったと考え、弁明の機会において消費者庁試験の問題を指摘しています。

また、一部報道により、当社マスクの効果について当社が「花粉等を水と二酸化炭素に分解する」旨を表示し、当社があたかも実質的に虚偽表示を行ったかのような印象をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれませんが、当社はそのような表示は行っておりませんこと、念のため付言いたします。

なお、当社では現在、法的に採り得る対応・措置を検討中でありますことから、詳細にわたる説明を致しかねる点もございますこと、皆様のご理解を頂戴できれば幸いに存じます。