2020年12月16日

トータルヘアケアを目指す研究方針について第28回毛髪科学研究会で発表 -発毛・育毛領域への取り組みと今後の展望-

大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区 社長:上原 茂](以下、大正製薬)は、2020年12月5日にホテルメルパルク東京で開催された第28回毛髪科学研究会にて、トータルヘアケアを目指す4つの研究方針について発表しました。

大正製薬はミノキシジルを中心とした発毛領域の研究に加え、育毛領域まで広げたトータルヘアケアの研究を進めております。

※毛髪科学研究会(The Society for Hair Science Research:SHSR)
毛髪科学研究会は、毛髪及び毛髪疾患の研究を推進させることを目的として1993年に設立されました。本研究会は、日本皮膚科学会と連携しながら「男性型脱毛症診療ガイドライン2010」及び「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017 年版」の策定に中心的な役割を担うなど、毛髪領域において我が国を代表する学術団体の一つです。
  URL:http://www.shsr.jp/index.html

【発表内容】

<トータルヘアケアの4つの研究(発毛+育毛領域)>

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1.ミノキシジルに関する臨床試験

男性用ミノキシジル1%製剤及び5%製剤、並びに女性用ミノキシジル1%製剤について、男性(図1)及び女性(図2)ともに壮年性脱毛症に対してミノキシジルが発毛効果を認めることを発表しました。

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2.毛包組織・細胞研究

本研究の共同研究者である柳茂教授(学習院大学理学部生命科学科)と、ミトコンドリアの形態制御や品質管理等に関与するミトコンドリアユビキチンリガーゼMITOL(別名:MARCH5)に着目した研究を行ってきました。MITOLを皮膚のケラチノサイト特異的に欠損させたマウスでは、脱毛や白髪が通常よりも早期に見られることが判明しております。

【詳細リリースはこちら】
 URL:https://www.taisho.co.jp/company/news/2020/20200601000619.html
 URL:https://www.taisho.co.jp/company/news/2020/20201130000700.html

3.頭皮環境研究

炎症等による頭皮環境の悪化が、毛髪の成長や発毛剤の効果に影響を及ぼす可能性について研究を行ってきました。紫外線を照射することにより、マウス背部での発毛が抑制されること、さらに、炎症が生じている頭皮環境ではミノキシジルによる発毛作用が減弱する可能性があることがわかりました。

【詳細リリースはこちら】
 URL:https://www.taisho.co.jp/company/news/2020/20200324000557.html

4.製剤技術研究

本研究の共同研究者である長井紀章准教授(近畿大学薬学部医療薬学科)と、ミノキシジルをナノ粒子化することにより、マウス背部の毛包へのミノキシジルの移行が促進され、発毛作用が高まることを明らかにしました。また、杉林堅次特任教授(城西大学薬学部薬科学科)との共同研究において、薬物の経皮吸収性に及ぼす塗布方法の影響を検討した結果、毛の流れに逆らって塗擦(マッサージ)することで、モデル薬物(蛍光粒子:Fluoresbrite)の毛包移行性が向上することが分かりました(図3 左図)。

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以上4分野のトータルヘアケアについての研究成果の発表をしましたが、今後もこれまで大正製薬が20年以上かけて培ってきたヘアケア研究の成果を活かし、ミノキシジル含有製品のみならず、育毛剤やシャンプーなどの製品へ展開し、生活者のより豊かな暮らしの実現に貢献してまいります。