2020年11月30日

毛髪や皮膚のミトコンドリアに着目した新たな研究成果の発表

大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区 社長:上原 茂](以下、当社)は、毛髪や皮膚細胞のミトコンドリアに着目した新たな研究成果を発表しました。

今回、2020年9月12日に開催された第38回日本美容皮膚科学会総会・学術大会スイーツセミナー(東京都新宿区 京王プラザホテル)にて、柳茂教授(学習院大学理学部生命科学科)より「ミトコンドリア動態を標的にした抗加齢戦略」について、ミトコンドリアユビキチンリガーゼMITOL(別名:MARCH5)に着目した共同研究の成果を含めご講演頂きました。

共同研究の成果(オウレン、オウバクなどのエキスに含まれるベルベリンの新たな知見)については以下の通りです。

  1. ベルベリンが、表皮中MITOL発現量を増加させることを見出しました。
  2. ベルベリンが、加齢による17型コラーゲン(COL17A1)の発現低下を抑制する可能性があることを示唆しました。

*毛包のバルジ領域などに存在し毛包幹細胞や色素幹細胞の働きを維持するのに重要な役割を果たすと考えられているコラーゲン

ミトコンドリアは生命活動に必要なエネルギーを合成する細胞小器官であり、近年、ミトコンドリアの様々な機能が見出され、ミトコンドリア機能異常が老化や様々な疾患の病態と関連することが明らかになりつつあります。

当社では、柳教授との共同研究において、ミトコンドリアの形態制御や品質管理等の分子として知られているMITOLに着目した研究を行ってきました。これまでに、MITOLの発現低下は毛包や皮膚の機能低下(脱毛、白髪など)に関与すること、さらには、MITOL発現を高める素材をスクリーニングし、オウレン、オウバクなどのエキスに頭皮や皮膚の構成細胞である角化細胞等のMITOL発現を高める作用があることを見出してきております(特許出願済み)。

当社は、MITOL賦活成分を活用したヘアケア技術「マイトチャージ・テクノロジー」を開発し、関連研究を進めております。今後も、本技術を、毛髪、皮膚のエイジングケアにつながる製品に応用していきたいと考えます。