2025年7月24日

2025年7月24日

ビフィズス菌G9-1と乳酸菌KS-13が

犬の腸内環境を改善することを確認

ビフィズス菌G9-1と乳酸菌KS-13が

犬の腸内環境を改善することを確認

~ビフィズス菌G9-1と乳酸菌KS-13は犬の健康に貢献する可能性~

~ビフィズス菌G9-1と乳酸菌KS-13は犬の健康に貢献する可能性~


大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区 社長:上原 茂](以下、当社)は、健康な犬にBifidobacterium bifidum G9-1(ビフィズス菌G9-1)およびLactobacillus acidophilus KS-13(乳酸菌KS-13)を継続摂取させることで、腸内菌叢の変化、健康維持に重要な腸内有機酸の一つであるn酪酸の増加、腸内環境の悪化と関連する腸内腐敗産物であるフェノールの減少、および糞便の臭気強度が低下することを明らかにしました。これらの結果から、ビフィズス菌G9-1および乳酸菌KS-13 の継続摂取は犬の腸内環境を改善し、健康維持に寄与する可能性が期待されます。本研究成果は2025年7月13日に開催された日本ペット栄養学会第26回年次大会にて発表し、特別賞を受賞しました。

大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区 社長:上原 茂](以下、当社)は、健康な犬にBifidobacterium bifidum G9-1(ビフィズス菌G9-1)およびLactobacillus acidophilus KS-13(乳酸菌KS-13)を継続摂取させることで、腸内菌叢の変化、健康維持に重要な腸内有機酸の一つであるn酪酸の増加、腸内環境の悪化と関連する腸内腐敗産物であるフェノールの減少、および糞便の臭気強度が低下することを明らかにしました。これらの結果から、ビフィズス菌G9-1および乳酸菌KS-13 の継続摂取は犬の腸内環境を改善し、健康維持に寄与する可能性が期待されます。本研究成果は2025年7月13日に開催された日本ペット栄養学会第26回年次大会にて発表し、特別賞を受賞しました。

背景

背景


乳酸菌やビフィズス菌等のプロバイオティクスは、「十分量を摂取したときに宿主に有益な効果を与える生きた微生物」と定義されており、腸内環境の正常化に寄与し、健康維持や疾病予防への効果が期待されています。人の健康に関するプロバイオティクスの研究は多数報告されている一方で、犬の健康に対するエビデンスは未だ十分とは言えません。

そこで本研究では、プロバイオティクスとしてビフィズス菌G9-1および 乳酸菌 KS-13を健康な犬に摂取させ、それらが腸内環境に与える影響について検討しました。

乳酸菌やビフィズス菌等のプロバイオティクスは、「十分量を摂取したときに宿主に有益な効果を与える生きた微生物」と定義されており、腸内環境の正常化に寄与し、健康維持や疾病予防への効果が期待されています。人の健康に関するプロバイオティクスの研究は多数報告されている一方で、犬の健康に対するエビデンスは未だ十分とは言えません。

そこで本研究では、プロバイオティクスとしてビフィズス菌G9-1および 乳酸菌 KS-13を健康な犬に摂取させ、それらが腸内環境に与える影響について検討しました。

研究成果

研究成果


【研究成果1:ビフィズス菌G9-1および乳酸菌KS-13 は犬の腸内菌叢に作用する】

【研究成果1:ビフィズス菌G9-1および乳酸菌KS-13 は犬の腸内菌叢に作用する】

健康な犬にビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13を6週間継続的に摂取させ、摂取前と摂取後の腸内菌叢の変化を確認しました。

その結果、摂取前と摂取後の腸内菌叢の有意な変化(p=0.019)が認められました(図1)。
このことから、ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13の摂取が、犬の腸内菌叢に作用し、腸内菌叢が変化することが明らかとなりました。

健康な犬にビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13を6週間継続的に摂取させ、摂取前と摂取後の腸内菌叢の変化を確認しました。

その結果、摂取前と摂取後の腸内菌叢の有意な変化(p=0.019)が認められました(図1)。
このことから、ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13の摂取が、犬の腸内菌叢に作用し、腸内菌叢が変化することが明らかとなりました。

図1  ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13摂取による腸内菌叢の変化

11例, Weighted UniFrac距離,permutation ANOVA test.

(各個体の腸内菌叢を構成する細菌の種類と割合の類似度を数値(距離)として換算し、個体間の距離関係を図に示す。
図中の各点は各個体を表し、点同士の距離が近いほど個体間の腸内菌叢が類似し、距離が離れるほど腸内菌叢が異なることを表す。)

図1  ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13摂取による腸内菌叢の変化

11例, Weighted UniFrac距離,permutation ANOVA test.

(各個体の腸内菌叢を構成する細菌の種類と割合の類似度を数値(距離)として換算し、個体間の距離関係を図に示す。
図中の各点は各個体を表し、点同士の距離が近いほど個体間の腸内菌叢が類似し、距離が離れるほど腸内菌叢が異なることを表す。)

【研究成果2:ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13は腸内のn酪酸を増加、フェノールを減少させ、便臭を軽減する】

【研究成果2:ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13は腸内のn酪酸を増加、フェノールを減少させ、便臭を軽減する】

腸管内に常在する菌は様々な物質を代謝し産生します。その中でもn酪酸は腸管バリア機能の維持や抗炎症作用をはじめ有益な作用が報告されています。一方で、フェノールをはじめとした腸内腐敗産物は、便臭成分であることに加え、血中に移行することで全身に悪影響を及ぼすことが示唆されています。

そこで腸内有機酸や腸内腐敗産物を測定した結果、n酪酸の有意な増加やフェノールの有意な減少が確認されました(図2)。また、糞便の臭気スコアは摂取14日後から42日後まで有意に低下し、便臭の継続的な軽減が確認されました(図3)。

腸管内に常在する菌は様々な物質を代謝し産生します。その中でもn酪酸は腸管バリア機能の維持や抗炎症作用をはじめ有益な作用が報告されています。一方で、フェノールをはじめとした腸内腐敗産物は、便臭成分であることに加え、血中に移行することで全身に悪影響を及ぼすことが示唆されています。

そこで腸内有機酸や腸内腐敗産物を測定した結果、n酪酸の有意な増加やフェノールの有意な減少が確認されました(図2)。また、糞便の臭気スコアは摂取14日後から42日後まで有意に低下し、便臭の継続的な軽減が確認されました(図3)。

図2  ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13摂取による腸内代謝産物の変化
(a)糞便中のn酪酸濃度(b)糞便中のフェノール濃度
11例,平均値± 標準誤差,*:p<0.05,**:p<0.01 vs.  摂取前,Wilcoxonの符号付順位検定をHolm法で補正.

図2  ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13摂取による腸内代謝産物の変化
(a)糞便中のn酪酸濃度(b)糞便中のフェノール濃度
11例,平均値± 標準誤差,*:p<0.05,**:p<0.01 vs.  摂取前,Wilcoxonの符号付順位検定をHolm法で補正.

図3  ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13摂取による便臭の変化

11例,平均値± 標準誤差,**:p<0.01 vs.  摂取前,Wilcoxonの符号付順位検定をHolm法で補正.

図3  ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13摂取による便臭の変化

11例,平均値± 標準誤差,**:p<0.01 vs.  摂取前,Wilcoxonの符号付順位検定をHolm法で補正.

研究成果のまとめ

研究成果のまとめ


本研究において、ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13の摂取が犬の腸内菌叢の構成に変化をもたらし、腸内におけるn酪酸の増加、フェノールの減少、および便臭の軽減が確認されました。これらの結果から、ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13の継続摂取が犬の腸内環境を改善し、健康維持に寄与する可能性が期待されます。
当社では、今後もプロバイオティクスや腸内菌叢に関する研究を進め、生活者の皆様、そしてその大切な家族であるペットの健康で充実した生活に貢献して参ります。

本研究において、ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13の摂取が犬の腸内菌叢の構成に変化をもたらし、腸内におけるn酪酸の増加、フェノールの減少、および便臭の軽減が確認されました。これらの結果から、ビフィズス菌G9-1および乳酸菌 KS-13の継続摂取が犬の腸内環境を改善し、健康維持に寄与する可能性が期待されます。
当社では、今後もプロバイオティクスや腸内菌叢に関する研究を進め、生活者の皆様、そしてその大切な家族であるペットの健康で充実した生活に貢献して参ります。