2023年8月 1日
「ナノゾラ®皮下注30mgオートインジェクター」
国内製造販売承認取得のお知らせ
大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区、社長:上原 茂](以下、当社)は、2023年7月28日付で、TNFα阻害薬「ナノゾラ®」の新剤形である「ナノゾラ®皮下注30mgオートインジェクター(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))」(以下、本剤)の製造販売承認を取得したことをお知らせいたします。
今回の承認により、「ナノゾラ®皮下注」には、シリンジ製剤「ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ」に加え、オートインジェクター製剤が新たに加わることになります。
本剤は、当社が2022年12月に発売した「ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ」と同じ薬剤があらかじめ1回量充填されたオートインジェクター製剤です。本体を皮膚に押し当てるだけで薬剤が注入され、さらに、注射後は針カバーがロックされることで針刺し事故を防止します。
当社は、「ナノゾラ®皮下注30mgオートインジェクター」という新たな治療選択肢の提供を通じ、今後も関節リウマチの患者さんやそのご家族、医療関係者の方々へさらなる貢献ができるものと期待しております。
承認内容の概要
販売名 |
ナノゾラ®皮下注30mgオートインジェクター |
一般名 |
オゾラリズマブ(遺伝子組換え) |
効能又は効果 |
既存治療で効果不十分な関節リウマチ |
用法及び用量 |
通常、成人にはオゾラリズマブ(遺伝子組換え)として1回30mgを4週間の間隔で皮下投与する。 |
ナノゾラ®について
ナノゾラ®の有効成分であるオゾラリズマブは、Ablynx社[本社:Ghent(ベルギー)](現Sanofi子会社)によって開発された、抗TNFαナノボディ®製剤で、一般的なIgG抗体と比較して約1/4の分子量を有しています。ナノゾラ®は、2つの結合部位でTNFαに結合することで、その作用を強力に阻害します。また、血中滞留性の良い血清アルブミンと結合することで血中半減期を延長させ、4週に1回の治療を可能にしています。これらの特長から、ナノゾラ®には高い炎症組織への移行性と早期からの臨床効果が期待されています。
※『ナノゾラ』は大正製薬株式会社の登録商標です。
ナノボディ®分子について
ナノボディ®分子は、ラマや他のラクダ科の動物によって自然に生成される特殊なタイプの抗体に由来する分子です。ナノボディ®分子は、従来の抗体の約10分の1のサイズで、従来の抗体ではアクセスできない体内の疾患標的部位にアクセスできる可能性があります。その小さくてシンプルな構造ゆえに、個別のナノボディ®分子を連結させることにより同時に複数の標的に作用できる「多価」ナノボディ®分子を創出することができます。ナノボディ®分子は、様々な疾患において複合的な治療方法を複数の作用を有する単一薬に置き換えられる可能性を提供します。また、大規模生産により迅速に製造することも可能です。
※『ナノボディ』はSanofiの関連会社であるAblynx社の登録商標です。ナノボディ®化合物 オゾラリズマブはAblynx社が創製しました。