2018年3月26日

エテンザミドの新たな薬理作用についての
日本薬学会年会発表に関するお知らせ

大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区 社長:上原 茂](以下、当社)は、解熱鎮痛剤であるエテンザミドの薬理作用に関する新たな知見について、石川県金沢市で開催された日本薬学会第138年会(期間:3月25日~3月28日)において、3月26日に発表(2演題)いたしましたのでお知らせいたします。

エテンザミドは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される解熱鎮痛剤で、古くから多くの一般用医薬品に配合されております。当社ではエテンザミドに着目した研究を続け、作用メカニズム解明等に努めてまいりました。
今回、発表した新たな知見は以下の内容です。

  1. 痛覚過敏(痛みを伝える神経が敏感な状態)モデルとして知られているホルマリン誘発性疼痛モデルにおいて、エテンザミドが疼痛行動を抑制することを明らかにしました。また、その作用メカニズムのひとつが、脊髄後角に存在し、痛覚過敏との関連性が報告されているセロトニン2B受容体の拮抗作用である可能性を見出しました。
  2. エテンザミドがイブプロフェンによる胃粘膜傷害を軽減することを明らかにしました。また、その作用メカニズムのひとつが、胃平滑筋に存在するセロトニン2B受容体の拮抗作用である可能性を見出しました。

いわゆる頭痛持ちの方が頭痛を繰り返す原因のひとつとして、痛覚過敏が関与していることがわかってきています。また一般的に解熱鎮痛剤により胃粘膜傷害が起こることが知られています。エテンザミドを解熱鎮痛薬に配合することで、痛みの伝わりを抑えて繰り返す痛みを軽減し、かつ、胃粘膜傷害を軽減することが期待されます。

今回の発表を始め、今後も痛みの研究を通じて、健康を願う生活者のQOL向上に役立つ製品の開発を進めてまいります。