高血圧について

血圧とは、心臓が血液を動脈に送りだすときの圧力のこと。血圧は日々変動していますが、血圧が正常より高い状態が続くことを「高血圧症」といいます。

高血圧と動脈硬化は、互いに悪影響を及ぼします。放っておくと、動脈硬化が促進され合併症を発症します。 高血圧と動脈硬化は、互いに悪影響を及ぼします。放っておくと、動脈硬化が促進され合併症を発症します。

動脈硬化が起こると、狭い血管に一定量の血液を送り出すため、さらに血圧が高くなります。このことが「高血圧→動脈硬化→血圧の上昇」という悪循環をつくり、動脈硬化を促進するのです。動脈硬化は全身の動脈で起こり、さまざまな病気を引き起こします。
日本人の3大死因は(1)がん(2)心疾患(3)肺炎(4)脳血管疾患です。高血圧に関係のある脳・心臓の障害は、合計するとがんを抜いて1位となります。つまり高血圧の合併症は生命にかかわることが多く、軽視できないのです。

高血圧ってどんな病気?

おもな原因

肥満、塩分の摂り過ぎ、ストレスや喫煙などが原因です!こうした生活習慣とは別に、遺伝等が関係することは確かですが、高血圧症そのものが遺伝するのではなく、高血圧症になりやすい体質が遺伝すると考えられています。

図中の正常値のエリアを超えると注意が必要です。
血圧の分類
至適血圧とは、心臓病や脳梗塞に最もなりにくい血圧のこと。収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上が高血圧。メタボリックシンド ロームでは、正常血圧より高い正常高血圧以上(収縮期血圧130mmHg以上、拡張期血圧85mmHg以上)を基準値に定めています。(高血圧治療ガイドライン)

高血圧を防ぐために!

食事や運動、ストレス解消!

適正体重の維持、適度な運動など生活習慣の改善はもちろん、最大の危険因子とされる塩分の摂り過ぎにご注意を!食生活を工夫し上手に塩分をコントロールするようにしましょう。

食生活を改善することは血圧を下げるだけでなく、動脈硬化による脳卒中などの合併症を予防する効果があります。食事療法のポイントは次の通りです。

  • 塩分摂取量を1日6グラム程度まで減らす。
  • コレステロールや飽和脂肪酸の多い食品を控える。
  • 野菜や果物を積極的に摂取する。
  • 魚(魚油)をできるだけ摂取する。
  • お酒は適量を守って飲む。

高血圧を改善するためには適度な運動が効果的です。しかし、急に激しい運動を行うと、急激に血圧が上がり、心臓に負担がかかるので避けるようにしてください。また、息をこらえて行うような無酸素運動(バーベル挙げ、腕立て伏せなど)も血圧を上昇させます。人と話をしながらでき、決してきついと感じることのない緩やかな運動が最も効果的です。ウォーキング、サイクリング、水中ウォーキング、ラジオ体操、太極拳などの運動を1日30分程度、毎日の習慣にするとよいでしょう。

最近の一部の研究では喫煙の高血圧発症への影響も指摘されているものの、慢性的な影響は確立されていない。しかし、1本のたばこを吸うと、15分以上持続する血圧上昇を引きおこすことが示されています。喫煙は動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中の危険因子となりますから、ぜひ禁煙を。どうしても禁煙できない人は食後や休息時など時間を決め、本数を減らす努力をしてください。
喫煙はタブー

食事療法

食事療法や運動療法を行っても血圧が下がらない場合や、すでに合併症を起こしている場合は、降圧剤による治療が必要となります。通常、3~4回診察を受けたときの拡張期血圧が90mmHgの場合、降圧剤の服用をすすめます。重症高血圧の場合は直ちに降圧剤による治療が必要です。
現在は少ない量で高い効果が得られ、副作用も少ない種類の薬が開発されています。

食事療法

降圧剤の種類

現在、使用されているおもな降圧剤の種類は次の通りです。

カルシウム拮抗剤……末梢細動脈を拡張し、血圧を下げる。

ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)……血管を収縮させて血圧を上げるACEの働きを抑制し、血圧を下げる。

AII 受容体拮抗薬(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)……ACEIIの作用を遮断することで血圧を下げる。

利尿薬……腎臓でのナトリウムと水の再吸収を抑制し、循環血液量を減少させることにより、血圧を下げる。

β遮断薬……脈拍数を減少させ、末梢血管抵抗を減らして血圧を下げる。

α遮断薬……交感神経のα作用(血管の収縮)を遮断し、血管を拡張させて血圧を下げる。

服用する上での注意点

降圧剤は血圧をコントロールする薬で、高血圧を根本的に治す薬ではありません。基本的には飲み始めたら長く飲み続けることになります。しかし、食事療法や運動療法を併用することで、薬の服用をやめられる患者さんも全体の約1~2割くらいいます。降圧剤を使用する際は次のことを守ってください。

  • 素人判断で勝手にやめたり、服用量を変えない。
  • 副作用が出た場合は医師に相談する。
  • 飲み忘れが数時間の遅れの場合は、気づいたときに服用する。それ以上遅れた場合はその日は服用せず、翌日からきちんと飲む。
  • 食事療法や運動療法と併用する。