アメリカ・メルク社に中枢神経疾患の新規候補物質を導出

2002年2月26日




大正製薬(本社:日本、社長:上原 明)と、メルク社(本社:アメリカ、会長・社長・最高経営責任者:Raymond V. Gilmartin)は、大正製薬の研究により見出された、既存薬とは異なる作用メカニズムの中枢神経疾患治療薬となりうる新規mGluR(metabotropic glutamate receptors:代謝型グルタメート受容体)アゴニスト(前臨床)について、オプション契約を締結し、今般、本契約下、メルクはオプション権を行使し、本アゴニストについて大正よりライセンスを受けることを決定して開発を開始しました。現在、大正とメルクは、本契約の交渉に入っており、締結に向け、作業を進めています。

グルタミン酸受容体の一種であるmGluRには、現在8つのサブタイプが知られており、まだ不明な点も多いながら、脳内での様々な役割や病態との関与が示唆されています。これらサブタイプのうちmGluR2及びmGluR3は、脳内のグルタミン酸等の神経伝達に係わっているといわれており、これら神経伝達の異常が精神分裂病の病態の一因であると考えられることから、mGluRアゴニストは分裂病の新しい治療薬となりうる可能性を有しています。大正製薬は、自社の研究から、このmGluRに対し、高い親和性を有する化合物を見い出しました。

分裂病は、どの国においても問題となっている疾患であり、罹患率はアルツハイマー病や糖尿病、多発性硬化症より高く、人口の1%であると見積もられています。既存薬では、体重増加やスパズム等の副作用も多く、また、しばしば効果も不十分であることから、より有用な新規薬剤への医療上のニーズも高い疾患です。

大正製薬は、一般用医薬品においては日本ではトップ、世界でもナンバー2の企業ですが、医療用医薬品分野においても、自社研究基盤を整備し、研究開発力を着実に強化してきています。その中から、オリジナルプロジェクトが出てきており、mGluRアゴニストもその1つです。また、バイオベンチャー企業との提携をはじめ国内外の企業との提携を積極的に展開している最中で、今回の提携もその成果の一環です。

 
【メルク社概要】
本社:アメリカ
設立:1891年
代表責任者:会長・社長・最高経営責任者 Raymond V. Gilmartin