サントリー(株)と脳梗塞急性期治療薬の共同開発に合意

2000年12月27日



大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区/社長:上原 明(以下大正製薬)]とサントリー株式会社[本社:大阪市北区/社長:鳥井 信一郎(以下サントリー)]は、(株)サントリー生物医学研究所が創製した新規医薬品候補物質のSUN N8075を脳梗塞急性期治療剤として共同開発を行うことで合意に達しました。

脳梗塞とは、脳血管が血栓(血の固まり)によって詰まったり、脳動脈の硬化により脳血管が狭窄或いは閉塞することにより脳血管の血流が途絶え、神経細胞を含む脳組織が広範に壊死する病気です。臨床症状及びその程度は、脳梗塞に陥る脳の部位により異なりますが、多くの場合、言語障害・運動障害・痴呆等の後遺症がひきおこされます。これにより、患者さんの日常生活が障害されるのみならず、家族及び介護費用等医療費にも重い負担がかかることになります。

今回共同開発を開始するSUN N8075は、現在前臨床段階にありますが、脳血流が途絶えた時に神経細胞内へナトリウムイオンとカルシウムイオンが過剰に流入するのを阻害する作用や、抗酸化作用が認められており、動物の脳梗塞モデルにおいても神経細胞の壊死を強力に抑制する作用(脳保護作用)を有していることが確認されています。脳梗塞の予後を改善するためには、死んだ神経細胞は二度と再生しないことから発症後なるべく早期に神経細胞の壊死を抑制することが重要と考えられています。したがって、脳梗塞急性期患者をSUN N8075で治療することによって、脳梗塞の領域を最小限に抑えることができ、患者さんの予後の重症度が軽減されることが期待されます。

今後は両社で開発をすすめていくことになりますが、海外での臨床開発を国内に先行して行い、ワールドワイドな薬剤として育成していく方針です。

現在、サントリーは、中枢神経領域を重点領域の一つとして研究開発を進めています。今回の提携により、既に上市している先天代謝異常疾患治療薬のビオプテン、第二相臨床試験段階にある抗痴呆薬のメマンチン、別なメカニズムを有する脳梗塞急性期治療薬のSUN N4057 に加えて中枢神経領域の品揃えが強化されることになります。

一方、大正製薬は、一般用医薬品においては日本ではトップ、世界でもナンバー2の企業ですが、現在医療用医薬品分野の研究開発力を着実に強化しており、バイオベンチャー企業との提携をはじめ国内外の企業との提携を積極的に展開している最中です。今回の提携は、その成果の一つとなります。