大正製薬と、米国・インスメッド社が糖尿病等治療薬の開発・販売意図確認書を締結

2000年3月14日



大正製薬(社長 上原 明)と、米国のバイオベンチャー企業・インスメッド社(INSMED Pharmaceuticals,Inc. 社長 Geoffrey Allan,Ph.D 本社 米国バージニア州リッチモンド)は、2型糖尿病と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療薬である「INS-1」について、日本及びアジアでの開発権及び販売権に関する意図確認書を締結しました。

インスメッド社はその他の地域での権利は留保します。大正は、インスメッド社の株式引受に加え、同社に対しマイルストン及びロイヤリティ等を支払います。

「INS-1」は、経口投与可能な低分子薬剤で、米国総人口の約20%を占めると言われているインスリン抵抗性患者において、糖代謝調節酵素を活性化するイノシトールグリカンの主要構成要素と考えられています。インスリン抵抗性は2型糖尿病、PCOS、及び広範な代謝性疾患と密接に関わっています。
米国では現在、2型糖尿病及びPCOSを対象とした、第Ⅱ相臨床試験を実施中です。

糖尿病は糖代謝を調節するホルモンであるインスリンの適正な利用又は産生の不能により引き起こされる深刻な代謝性疾患です。欧米及び日本においては、2,400万人(日本で約700万人)以上が羅患しており、2008年までにこの数は3,400万人にまで増加すると予想されています。糖尿病は、米国での病気による死因の第4位であり、糖尿病治療等にかかるコストは、年間1,000億ドルを超えるとされています。日本での糖尿病治療薬市場は、1997年で約700億円、2007年には2,500億円に達すると推定されます。

PCOSは女性に多い内分泌疾患であり、14~44歳の女性の約6%が羅患しているとされます。これは米国及び日本では、不妊の主要因の一つになっており、本疾患に羅患した女性にはしばしば体重超過、顔の多毛及び月経不順が見られます。また、2型糖尿病や心血管疾患及び子宮癌のリスクも増加しています。 海外では「INS-1」が、インスリンの作用を増強することにより、PCOSにかかった女性の排卵率を飛躍的に改善することや、心血管疾患のリスク要因である血中トリグリセライド及び血圧を低下させることも報告されています。

インスメッド社は、インスリン抵抗性に関連した代謝性疾患及び内分泌疾患治療の医薬品開発をめざす新進のバイオ企業です。最近、米国カリフォルニア・サンノゼ所在のバイオ企業であるセルトリックス社を買収する契約を締結したことが報じられています。セルトリックス社のプロジェクトであった、広範な代謝性疾患の治療薬である「SomatoKine」や新規「IGF-BP3複合体」の開発も継続することになっています。

大正製薬は、大衆薬領域のトップメーカーであると共に、国内外企業との提携を通じて、医療用医薬品領域における販売及び研究の拡大を継続しています。高品質の医薬品とヘルスケア関連製品、及び様々な情報サービスの創造及び提供を通じて、生活者の健康の維持・増進に貢献することに注力しています。

◇インスメッド社(INSMED Pharmaceuticals,Inc.)概要
本 社 米国バージニア州リッチモンド
設 立 1988年
代表者 Geoffrey Allan,Ph.D.(President and CEO)