大正製薬と米国・バーテックス社が
カスペース阻害剤開発のための共同研究を開始

1999年11月30日



大正製薬株式会社(社長 上原 明)とバーテックス社(社長 Dr.Joshua S Boger)は、脳血管疾患(脳梗塞等)、心血管疾患及び神経変性疾患を対象とする、カスペース阻害剤(Caspase Inhibitor)の創製・開発・商品化の提携契約を締結しました。

カスペースは、11種の構造的に関連したヒトの酵素から成る一連の酵素群で、アポトーシス(プログラムされた細胞死)と炎症に関して、特異的な役割を担っているとされています。今回の契約は、明らかにされている遺伝子情報を利用して、構造的に関連したタンパク群を薬物創製の標的とする、バーテックス社の技術を大いに活用するものです。

カスペースの阻害研究は、アポトーシスを介した組織の損傷など、いくつかの疾患の治療に大きく貢献する可能性があります。当社は、カスペース研究のリーダーであるバーテックスと提携できることで、現在、まだ治療法が不十分な、致命的疾患に対する医薬品の開発に期待を寄せています。

バーテックス社はすでに、カスペース群の一つであるcaspase -1(ICE)について、酵素のX線結晶構造の解析や標的の確証、コンピューターによる阻害剤の造形、及びコンビナトリアル・ケミストリー手法に基づいた薬物創製のための技術、を確立しています。今後は当社とともに、最新のコンピューター技術を組み合わせた構造面からのアプローチを行い、残りのカスペースの解析と複数のリード化合物のデザインと合成を、迅速に進める予定です。

これまでの先端的な遺伝学と生物学の研究は、数千の新たな創薬の標的を明らかにしました。今後は、新規の標的をそれぞれの構造に基づいて体系化し、新規の薬物的阻害物質の創製を並行して進めることが必要です。バーテックス社が有する、強力で体系化された技術は、薬物創製の速度と生産性を劇的に増加させる可能性を有しています。
当社は、進行中のカスペース研究プログラムから見出された開発化合物の日本及び東部アジア地域における販売権を保有し、バーテックス社は欧州と北米地域での開発権と販売権を留保します。

◇バーテックス社について
バーテックス社は、NMR、X線構造解析などのタンパク立体構造解析技術を用いた、生体酵素の低分子医薬品と阻害薬の創製、開発、販売を行っています。ウィルス疾患、炎症、癌、自己免疫疾患や神経疾患の治療薬剤を、臨床段階に9つ有している製薬会社です。最初に承認を得た製品はHIVプロテアーゼ阻害剤であるAgenerase(amprenavir)であり、Glaxo Wellcomeと共同プロモーションを行っています。1999年10月上旬には、提携先であるキッセイ薬品が日本において、Prozei(プローゼ)の商標でamprenavirを上市しています。

〔会 社 名〕 Vertex Pharmaceuticals,Inc
〔所 在 地〕 米国マサチューセッツ州 ケンブリッジ
〔創  立〕 1989年
〔代 表 者〕 Dr.Joshua S Boger,Ph.D.,M.A(Presidennt & CEO)
〔従業員数〕 338名
〔株  式〕 NASDAQ