大正製薬と生化学工業が抗CD23抗体の開発販売提携を開始

1999年3月8日



大正製薬(社長 上原 明)と生化学工業(社長 榎 史朗)は、先に生化学工業が開発・販売権を取得していた米国のバイオベンチャー企業、アイデック・ファーマシューティカル社(本社 米国カリフォルニア州サンディエゴ 社長ウィリアム H. ラステッター)が開発した抗CD23抗体について、今後研究開発を共同で行うと共に、将来の販売について提携する契約にこのほど合意しました。

この抗CD23抗体は、アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性疾患、その他アレルギー性疾患の治療薬として期待されている物質です。本抗体は、アレルギー症状の引き金となる免疫グロブリン(IgE)の産生を調節する因子・CD23に結合します。他の免疫グロブリンに対しては影響が無いことから、特異的アレルギー治療薬となる可能性をもっています。
アイデック・ファーマシューティカル社は、得意とする霊長類化抗体(ヒト・サルのキメラ)"Primatized Antibody"技術を活用して抗CD23抗体を作製することに成功しており、本年下旬頃から米国で臨床試験を開始する予定です。
アレルギー性疾患の患者数は年々増加の一途をたどっているものの、その確固たる治療法は未だ確立されていません。しかし、最近の分子生物学等の進歩で細胞・遺伝子レベルでの解明が徐々に進んできており、本抗体の研究開発は、その先端を担うものと考えています。

生化学工業は、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸など複合糖質分野の医薬品、試薬、診断薬等の開発・販売を行っており、バイオ技術の取得に注力しています。
大正製薬は、現在医療用医薬品分野における研究開発力を着実に強化しており、その一環としてバイオベンチャー企業との提携を積極展開している最中です。ベンチャー企業からの導入候補品探索を手がけている協和発酵出資のレクメド社(社長 松本 正)とも協力体制を築き上げています。
この抗CD23抗体の共同開発・販売契約は、アレルギー領域を戦略領域の一つに掲げている大正製薬と、有力な事業パートナーを求めていた生化学工業との企業方針が合致したものといえます。

今回の契約により、欧州、アジア地域の開発・販売権を、大正製薬と生化学工業とが保有し、今後、適応症を含めて各地域ごとに具体的な開発方針を定めていく予定です。

アイデック・ファーマシューティカル社は、米国のベンチャー企業として1985年に設立以来、遺伝子組換抗体に特化した研究開発を行っております。高度に機能的な各種抗体の開発に成功しており、癌および炎症性疾患を含む免疫疾患をターゲットとした治療薬の開発に注力してきております。1997年末から1998年にかけて、初の製品として抗CD20モノクローナル抗体(製品名『リツキサン』、非ホジキンリンパ腫治療剤)を米国およびEUで上市しており、高い評価を得ております。