2021年4月 1日

慶應義塾大学と「マイクロバイオーム創薬プロジェクト」を開始

大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区、社長:上原 茂](以下、当社)は、慶應義塾大学薬学部創薬研究センター[センター長:三澤 日出巳]と、「マイクロバイオーム創薬プロジェクト(プロジェクトリーダー:金 倫基教授)」を開始しました。

人体には、細菌を始めとしたさまざまな微生物が共生しており、それらはコミュニティを作り出すことにより、腸内細菌叢(腸内フローラ)などのマイクロバイオームを形成します。近年の解析技術の進歩によって、その機能や疾患に及ぼす影響などの新たな知見が蓄積され、これらを創薬に応用する動きが実際に出ていますが、マイクロバイオームの組成変化と疾患との関連性については不明な点が多く、創薬を行う上での大きな課題となっています。

「マイクロバイオーム創薬プロジェクト」では、本分野において卓越した知見を有し、先端研究を行っている慶應義塾大学薬学部創薬研究センターと、医薬品の研究開発基盤を有する当社が共同で、マイクロバイオームが関与する新たな疾患および治療メカニズムを探索し、創薬への発展を目指します。

当社は、本プロジェクトのもとマイクロバイオームによる新たな創薬手段の確立を目指すと共に、今後も医療ニーズが高い新薬創出を通して、健康社会の発展に貢献して参ります。

マイクロバイオーム(microbiome)

生体、土壌、海洋などに存在する細菌・真菌・ウイルスなどの微生物集団(マイクロバイオータ)と、その微生物が持つゲノム情報や代謝物の総体を指します。人間では、腸、皮膚、口腔、鼻腔、生殖器などにマイクロバイオータが存在していますが、腸内には百数十種類、100兆個ほどの細菌が生息しています。次世代シークエンサーなどの登場により、解析技術が飛躍的進歩し、近年では腸内マイクロバイオームが疾患や健康状態と深く関連していることが次々と報告されています。