便秘の仕組みについて
腸の中では何が起きているの?

便は大腸で作られます。週に3回以上、すっきり排便できて、便が軟らかいバナナ状なら、大腸が健康な証拠。逆に、毎日排便があっても量が少なかったり、便が硬かったり、残便感があってすっきりしないといった場合は、便秘といえます。こうした症状はなぜ起こるのでしょうか。まず、大腸の動きから確認してみましょう。

健康な大腸の動き

大腸の長さは、約1.5メートル。食道、胃、小腸に続いて、消化の最終の働きを担当しています。食物の残りかすは、はじめはどろどろの状態ですが、大腸を通り抜けるうちに水分が吸収されて固まり、便として排泄されます。健康な大腸は、腸の「ぜん動運動」といってギュッと強く縮んでは緩む動きを繰り返すことで、便をスムーズに送り出していきます。

小腸の動き
食事から摂った栄養素のほとんどを消化・吸収しているのが小腸です。食べたものは食道と胃を経て3~4時間ほどで小腸を通過し、大腸に送り込まれます。
健康な大腸の動き健康な大腸の動き
結腸
大腸のうち、直腸と肛門を除いた部分を結腸といい、結腸はさらに上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けて呼ばれています。

便秘のときの大腸の状態

便秘のときの大腸の状態便秘のときの大腸の状態
  • 1ここで便が停滞すると『弛緩性便秘』

    【原因】
    結腸でぜん動運動が弱いと、便を先に送り出せなくなり、便秘が起こる。
    【こんな人は注意!】
    デスクワークの時間が長く、体を動かす機会がなかなかつくれない人。
  • 2ここで便が停滞すると『けいれん性便秘』

    【原因】
    ぜん動運動が強くなり過ぎて、腸がけいれんを起こし、便がスムーズに送られなくなる。
    【こんな人は注意!】
    職場や家庭でストレスが多い人。リラックスするのが下手で、常に緊張が抜けない人。
  • 3ここで便が停滞すると『直腸性便秘』

    【原因】
    排便のリズムが乱れていると、便が直腸にたどり着いても、便意が起こらない。
    【こんな人は注意!】
    朝、化粧や身支度に時間がかかり、トイレタイムをキープできない人。職場のトイレでは恥ずかしくて排便できず、便意を我慢してしまう人。

便意を感じる仕組み

胃に食べ物が入ると、その刺激で大腸のぜん動運動が起こり(胃・結腸反射)、便が直腸にやってきます。すると、その情報が「仙髄の排便中枢」という神経に伝わって、直腸で便を送り出す働きが強くなり(排便反射)、同時に脳から“便を出せ!”と、ゴーサインが出るのです。便秘の人は、直腸のセンサーが鈍くなってしまい、こうした反応がうまく起こらなくなってしまいます。

便意を感じる仕組み便意を感じる仕組み
監修:
松枝 啓(まつえだ けい)先生

1943年生まれ。‘69年岡山大学医学部卒業。国立国際医療センター第一消化器科医長、教育部長、国立精神・神経センター国府台病院副院長を経て、現在、独立行政法人国立病院機構さいがた病院院長。専門は炎症性腸疾患、臨床栄養、消化管運動など。